税理士の手嶋です。
最近は寒さも少しやわらいできました。
三寒四温って、ちょうどこのぐらいの時期を表すのにぴったりですね。
3日間寒い日が続いた後、4日間は暖かい日が続く、まさにそんな感じです。
暖かくなってくると確定申告も佳境に入り、もうひと頑張りです。
さて、近所のパン屋さんをお昼によく利用しています。
ちなみに僕はメロンパンが好物で、新しいパン屋さんではついつい買ってしまいます。
このパン屋さんがオープンしたときに、少し値段が高いな~という印象を受けました。
そんなこともあり、しばらく行ってなかったのですが、値下げをしたとの情報を聞き、再度お店へ行ってみると、なるほど少し値下げをしています。
その後しばらく通っていると、またいくつかの商品を値下げしました。
おそらく値段を下げて、販売量を増加するという経営判断があったのだと思います。
どうやって値下げをする商品を選び、金額設定したのか、単なる値下げなのか、材料に変更があったのか、どうして一律にしなかったのか、などなどその過程が気になります。
値下げをした場合にそれまでと同じ粗利額を稼ぐためには販売数量を増やさなければならないのですが、では一体何個売上を増やす必要があるのでしょう。
話を簡単にするために原価を材料費だけで考えてみます。
仮に、直接原価率(材料費)が30%、売価150円のパンを10%値下げして、135円で販売した場合にいったい何個多く売ればいいのでしょうか?
同じ粗利額を稼ぐためには売上個数を16.6%増やさなければなりません。
100個売れるパンなら+17個です。何となくできそうな気がします。
20%値下げして120円にした場合はどうでしょうか?
この場合、販売量は40%の増加が必要です。
100個売れるパンなら+40個です。
140個以下だと、値下げ前より粗利額は減少し、140個超だと粗利額は増加します。
40%増加は簡単ではなさそうです。既存客の来店回数の増加に加えて、新規客の獲得が必要かもしれません。
さらに30%値下げすると販売量は75%の増加、40%まで値下げすると販売量は133.3%の増加です。どんどん必要な量は増えていきますし、ここまでくると生産体制など他の問題が生じます。
まとめると、値引きは販売量の増加を伴わなければ利益に貢献しないということですね。
また30%、40%の値引きは従来と同じ方法の延長ではないということです。
従来のやり方そのものを変える必要があります。そういう意味では中小企業が値引き戦略をするのはなかなかハードルが高そうです。
先ほどのパン屋さんに話を戻しますと、僕に限って言えば、来店頻度は以前の2倍以上になっているので値下げは大成功です。
事務所の人が買いに行くのもよく見るのでどうやら僕以外にも成果が出ているようです。
お昼においしいパンを食べたいのでこの調子で頑張ってほしいな、と応援しています。