税理士の手嶋です。
今回も養子縁組についてです。
養子縁組は通常、養父・養母の双方と縁組をします。
養父のみあるいは養母のみの場合には、もう一方の同意が必要になります。
では一方が認知症で意思表示をできない場合にはどうすればよいのでしょうか?
養子縁組はできないのでしょうか?
民法では次のように規定しています。
第796条
配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意を得なければならない。
ただし、配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。
ただし書きにおいて、意思表示ができない場合には同意を得ることなく養父又は養母のみで縁組ができることになっています。
ちなみに役所の戸籍係に提出する養子縁組届には「配偶者が病気により、この縁組について同意の意思表示をすることができない」旨の記載をすることになります。
養子縁組の手続きは簡単ですが、軽々しくできることではありませんので慎重な判断が必要です。
また、進め方を間違えると相続人間で争いになることもあります。
やはりポイントは関係者には事前に説明することです。
後々トラブルにならないよう十分に注意して行いましょう。
税理士の手嶋です。
前回に引き続き養子縁組です。今回は養子の数の制限についてです。
民法上は養子の数に制限はありません。何人でも養子にできます。
ちなみに養子の数が増加すると、各相続人の相続分や遺留分割合は減少します。
相続税法も民法の相続人を基本としていますが、課税の公平の観点から民法とは異なる相続人の範囲を規定しています。
これはいまの相続税の計算方法は、相続人が多いほど税金が少なくなるからです。
相続税法上の養子の数の制限
① 実子がいる場合 ・・・養子の数は1人
② 実子がいない場合・・・養子の数は2人
養子の数の制限は、あくまでも相続税の計算上の問題だということです。
ただし自然な関係での養子縁組、連れ子を養子とした場合や特別養子の場合は、養子の数の制限はありません。
かつて10人以上と養子縁組をするなどの租税回避行為があったため、昭和63年の税制改正において上記の制限が設けられました。
何でもそうですが、やりすぎる人がいるとそれに対する規制ができるのですね。
次回も養子縁組についてです。しつこい?!
5月5日に田植えが終わりました。
農業は先行き不透明ながら、収穫までは畦の草刈りに励まなくては。
5月提出(3月決算月)の法人税の申告に、復興特別所得税の別表が加わりました。源泉徴収されている復興特別所得税の集計が必要になり、一手間増えました。法人税は3年間で終わるから良しとしても、個人の所得税は平成49年までの25年間です。先の長い話となっています。
教育資金贈与をするためには、資金を一旦銀行等に預けなくてはなりません。信託会社・銀行等が「教育資金贈与信託」なる専用商品をだして、資金集めに動いているようです。
利用条件(払出条件・手数料・最低利用額等)がそれぞれで違うようですから、使い勝手を良く吟味する必要がありそうです。
とにかく、急ぎの相続税対策には、よさそうな制度です。
藤川
税理士の檜山です。
今シーズンの出場レースも残すは可部連山トレイルランの1つとなりました。5月は法人の決算業務が多い月なので、時間を見繕いながらトレーニングに励もうと思います。
さて、25年4月より教育資金贈与の非課税特例制度がスタートしました。いろんなところで詳細が取り上げられていますので、簡単な概要だけを最後に記載しました。
今回は、昔からある教育資金の非課税の規定についてです。
税法上、以前から子や孫に対する教育資金を贈与する際の非課税の規定が設けられています。
「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるものの価額は、贈与税の課税価額に算入しない」(相続税法21-3)
この規定を適用する場合の注意点は、「必要な都度直接」これらの用に充てるための贈与を行わなくてはいけません。まとめて1年分の教育費を贈与とする行為は「必要な都度直接」に該当しませんので、非課税の要件を満たさなくなります。
学校の授業料・塾代などの振替を祖父母口座にしておけば、「必要な都度直接」を満たしますので非課税となります。
教育資金に関しては、期間限定ですが2つの非課税規定ができたことになります。各家庭によってどちらが有利かどうか違ってきます。適用については、しっかり考えることが肝要です。
【教育資金贈与の非課税特例の概要】
平成25年4月から平成27年12月までの期間、父母や祖父母などの直系尊属が30歳未満の子や孫に対して、教育等に係る費用を最大1500万円まで非課税とする制度です。学校の入学金や授業料その他学業に付随するものはもちろん、学習塾や野球・ピアノなどの習い事も対象となります。
手続きとしては、銀行や証券会社に子等の口座を設け、教育資金非課税申告書を税務署へ提出し、その口座へ資金を預ければOKです。その後、教育資金を支払した時の領収書を銀行等に提出し、銀行等から払い出しを受けるという流れです。
なお、贈与を受けた者が30歳に達した時口座に残額があった金額については、その時に贈与税が課税されます。