税理士の手嶋です。
過払い金請求ってわかりますか?
消費者金融等からお金を借りて、利息制限法の上限金利(15%~20%)を超える金利の
支払いをしていた場合に、その払い過ぎた利息のことを過払い金といいます。
平成13年5月までの法定上限金利は40.004%でした。
1,000万円借りたら、金利が400万円です。すごい金額です。
これを利息制限法で計算すると金利は150万円となり、払い過ぎ部分は250万円です。
この上限金利40.004%はその後、出資法の上限金利である29.2%になり、
そして利息制限法の20.0%に変わっています。
数年前までこの過払い金請求が弁護士、司法書士に特需をもたらしていましたが、
それも今はだいぶ落ち着いてきたようです。
この過払い金請求をし、返還があった場合の税務上の取り扱いについては以下のようになります。
① 家事上の借入金の場合
過払い金・・・課税関係なし
過払い金に付された利息(以下「利息」)・・・支払いを受けた日の年分の雑所得
② 事業にかかる借入金の場合
(1)事業的規模の不動産所得・事業所得等の必要経費に算入していた場合
過払い金・・・判決のあった日の即する年分の総収入金額に算入
利息 ・・・支払いを受けた日の年分の総収入金額に算入
(2)事業的規模でない不動産所得・事業所得等の必要経費に算入していた場合
過払い金・・・必要経費に算入した各年分の所得税を修正
利息 ・・・支払いを受けた日の年分の総収入金額に算入
過払い金に付された利息については所得が生じたと考えて家事上、業務上を問わず
課税対象になっています。
家事上の雑所得の場合、給与所得者なら20万円を超える金額だと申告義務が生じますが、
20万円以下の金額なら申告義務はありません。
事業にかかる借入金で事業的規模の場合、遡る必要がなく、その年の確定申告に
反映させればよいので簡単です。
事業的規模でない場合、過去の申告につき修正申告をする必要があるため少々面倒です。
ただし、国税の時効は法定納期限から5年なので過払い金問題の時期から考えると
申告の必要はないものがほとんどかもしれませんね。