税理士の手嶋です。
五公五民とは江戸時代の租税徴収で、年貢(公)と農民保有(民)の割合のことです。
収穫の半分を年貢として納め、残りの半分が農民のものです。
時と場所によりこの割合が異なり、租税の取り立てが限度を超えると、
昔なら百姓一揆が起こっていたわけです。
さて平成の日本ですが、平成27年から所得税の最高税率が
現行の40%から45%に引き上げられます。
課税所得4000万円超の部分に45%の最高税率がかかることになりました。
住民税10%を合わせた最高税率は、所得税45%+住民税10%=55%になります。
この引き上げに合わせて相続税の最高税率も55%になることが決まっています。
所得税、相続税とも最高税率部分では五公五民を超えました。
百姓一揆のかわりに、富裕層の間では国外疎開が進んでいるようです。
アジアなら、シンガポール、タイ、香港など相続税や贈与税がない国、
資産運用のキャピタルゲインに対する課税がない国などが人気のとのことです。
消費税引き上げのタイミングで富裕層への課税を強化しているのでしょうが、
限度を超えるとそれを逃れる動きも加速します。
ちなみに昭和59年以降では、昭和62年の所得税60%、住民税16%の
合計76%という税率が最も高い税率でした。
所得が1億円増えても、手残りが2400万円では何ともさみしい感じですね。