税理士の手嶋です。
最近ニュースで男性の生涯未婚率が20%台になったと報じていました。
以前に比較すると未婚男性が増えたのでしょうが、他の国と比較したらどうなのでしょう。
一方で、二度、三度結婚する人もいます。
今日はそういう人の相続に関係する話です。
夫は再婚、妻は初婚の夫婦です。
夫と妻との間に子供はいません。
夫と先妻との間には子供がいます。しかし長い間連絡をとっておらず、絶縁状態です。
夫の財産は不動産(マンション)と預貯金、そして生命保険金です。
夫は、先妻の子供とは絶縁状態のため、遺産は妻に相続させる旨の内容を伝えていました。
上記の例で夫に相続が発生した場合を考えてみます。
この場合、夫の相続人は、現在の妻と先妻の子供の2人になります。
そして法定相続分は妻2分の1、先妻の子供2分の1です。
不動産と預貯金については分割協議の対象となります。
したがって妻は、全く面識のない先妻の子供と話し合いのうえ遺産を分割し、
分割協議書を作成することになります。
スムーズに分割協議がまとまれば良いですが、まとまらなかったら大変です。
分割協議書がなければ不動産も預貯金も名義変更が出来ません。
ただし、“妻に不動産と預貯金を相続させる“旨の遺言書があれば、
分割協議をしなくても遺言書により不動産と預貯金を妻の名義に変更できます。
生命保険金については分割協議の対象にはなりません。
民法上の財産ではないため不動産や預貯金とは取り扱いが異なり、
保険契約で定められた保険金受取人に保険金が支払われます。
したがって、妻が保険金受取人に指定されていれば妻に支払われます。
ポイントは
① 財産によって遺産分割の取り扱いが違うということ
② 相続人の関係によっては遺言書が非常に有効であること
の2点です。
「遺言書さえあれば…」ということにならないように、気の重い大変な作業ですが、
似たような状況にある方は、残された人のことを考えて、遺言書の作成をお勧めします。