税理士の手嶋です。
今日は10月10日です。49年前の今日、東京オリンピックが開幕しました。
ちなみに今年の体育の日は10月14日ですが、少々違和感がありますね。
さて、今日は贈与についてです。
「110万円までの贈与は非課税です。」
これ正しいでしょうか?
わかるのですが、これも違和感があります。
まず非課税とは何か?
贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかりますが、
その財産の性質や贈与の目的などからみて、限定的に11の項目について
贈与税がかからないことになっています。
例えば次のようなものが非課税です。
・扶養義務者から生活費や教育費に充てるためにした財産の贈与
・宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者にした財産の贈与
・個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどの金品の贈与
条文の中に、110万円までの贈与が非課税とは書かれていません。
では110万円は何か?
110万円は基礎控除です。
基礎控除とは税金の計算上、一定の金額を課税標準から控除する制度です。
課税対象贈与110万円から基礎控除110万円を控除し、課税標準が0円になるから
税金がかからないのです。
したがって冒頭の文章は
「110万円までの贈与には贈与税はかかりません。」だとスッキリします。
ところでどうしてこのような制度があるのでしょうか。
もし基礎控除がなかったら、ちょっとの贈与でも贈与税の申告手続きが必要になります。
納税者も手間ですが、課税庁も申告書がたくさん提出され、事務処理が膨大になります。
そういった事情もあって110万円までの贈与については申告不要となっています。
今日の内容は、やたらと細かいことを気にする性格のように思われそうですが、
ちょっと正確に言ってみたかっただけです。