【インボイスとは】
インボイスとは「請求書や納品書」のことです。ただしこのインボイス制度の中でのインボイスとは「適格請求書」のことであり、発行者の登録番号など9項目の記載が必要とされます。
【インボイス制度によって変わること】
このインボイス(適格請求書)を発行しようとする売り手は、消費税の課税事業者であり、なおかつ適格請求書発行事業者の登録を受ける必要があります。
一方、買い手はインボイスの発行を受けて保存していなければ、消費税の計算上で仕入税額控除を受けることができなくなります。(納める消費税の額が増加してしまう!)
【インボイス制度により考えられる影響】
【インボイス制度への対応】
令和5年10月1日から発行事業者になるためには、令和5年3月31日までに申請しなければなりません。(税理士が代行して申請することも可能です)
また適格請求書を発行できるように事前準備が必要になります。
なお、当然ですが毎年消費税の申告と納税が必要になります。
【まとめ】
1年間の消費税がかかる売上の合計額が1,000万円以下であれば、消費税を納める義務はありません。すなわちお客様から消費税を頂いていても納めなくてよい、消費税のいわば「もらい得」の状態の会社や個人事業主が多く存在しています。
そこにメスが入るという形の改正になります。ただこの点については、これまでの「もらい得」がなくなるだけであり、決して損をするわけではないと考えなければなりません。
税理士の檜山です。
昨年の秋、関東で仮想通貨取引者に対し大規模な税務調査が行われ数十人が約14億円の申告漏れが指摘されました。中国地方でも税務署から無申告の者に対し仮想通貨取引についてのお尋ねが多数送られてきたようです。
令和3年からは、国内の取引所は一定の利益があった顧客に係る支払調書を税務署に提出する義務が課されることとなっていますので、申告もれの発見がより容易になったといえます。
仮想通貨の取引で生じた利益は、雑所得として所得税の課税対象となります。仮想通貨を日本円に換金したときだけでなく、ビットコインでイーサリアムを買うなど仮想通貨で仮想通貨を購入する場合にも、利益は認識されます。
国内の取引所で売買をしている場合は、年間報告書として1年間の取引を比較的容易に把握することができます。海外の取引所で売買をしている場合は、エクセルを駆使したりウェブの計算サイトを活用しないと難しいでしょう。
また、DefiやNFTといった取引について生じた利益に対しても税金対象となるので注意が必要です。
仮想通貨の計算期間は、他の所得と同様に1月1日から12月31日までです。1月から3月半ばまでの間に税額を計算し、口座振替を選択している場合4月20日ごろに納税となります。当然、税金は日本円での納付です。
12月末から納付の4か月弱の間で、仮想通貨の価値が大きく下がった場合は納税資金が不足する恐れがあります。
昨年大きく利益が出ている方は納税額の見込みを早めに計算し、税金相当額を日本円に換金しておくことを強くお勧めいたします。
「相続税と贈与税が一体化されます、贈与は早めに進めましょう」、昨年はそういう見出しが結構目につきました。
令和4年の税制改正では暦年贈与に対する規制が見送られましたが、気になるところです。
贈与することは、あげる人ともらう人の自由ですから、贈与が全くできなくなることではありません。相続税の節税対策としての贈与に対する課税が厳しくなるだろうということです。
現時点で予想されているのは、相続した者に対する生前贈与の3年加算が10年~15年に延長されるというものです。毎年の贈与税そのものはむしろ安くなるのではないかとも言われています。
2~3年の猶予期間が設けられるでしょうが、贈与履歴を残すことが求められるようになると思います。私の個人的な予想では、マイナンバーカードの取得が条件となるマイナポータルに贈与履歴を登録することで、加算期間が軽減されるとか、加算税(罰金)が軽減されるとかがありそうです。
もともと贈与税は相続税逃れを規制するためのものですから、相続税がかからない人に贈与税をかける必要はないわけです。
毎年の贈与はむしろやりやすくなるとも考えられ、生前にもらった財産が雲散霧消し、あとで相続税を払う時に困る人が出てくるかもしれません。
法案の骨子が見えない現時点では対策を講じようがありませんが、相続税が気になる人は今まで通り贈与を進めていけばよいと思います。
今でも有効ですが、暦年贈与が改正された後に重要になってくるのは、贈与税のかからない贈与です。進学・結婚などの祝い金、扶養義務者間の生活費や教育費の負担に対しては贈与税がかかりません。贈与税の非課税財産と言われるものです。
非課税財産の贈与については常識的な範囲を超えたり、贈与のやり方によっては不適切として税務調査で否認されることも考えられます。活用に際しては専門家に相談し、贈与の履歴を作成保存しておき、せっかくの努力が無駄にならないよう適切に進めていくことをお勧めします。
ご相談をいただくことが、一番の報酬と考えています。お気軽にご相談いただければ幸いです。
最後になりましたが、2022年の年頭に当たって、この地から遠くの人々も含め、佳き年となりますようお祈りいたします。
税理士 中田誠治