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[2022.09.17]
副業300万円問題

税理士の檜山です。

働き方の多様化、コロナ禍によるリモートワークの影響などによりサラリーマンの副業が昔に比べ増えています。

その副業に関して国税庁が8月に所得税基本通達の一部改正案について意見募集が行われました。雑所得と事業所得の範囲について明確化され、令和4年分からの所得税の申告に適用される見込みです。

改正案で追加となった部分は、「その所得を得るための活動が社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定するのであるが、その所得がその者の主たる所得でなく、かつ、その所得に係る収入金額が300万円を超えない場合には、特に反証のない限り、業務に係る雑所得と取り扱って差し支えない。」です。

副業の場合の収入金額300万円という基準が明確化されました。

事業所得から雑所得へ変更となった場合以下の影響が想定されます。

  • 青色申告特別控除が使えない。
  • 赤字となった場合、他の所得との通算ができない。
  • 赤字となった場合、3年間の繰越控除ができない。
  • 30万円未満の減価償却資産を1年で経費化できない。


その副業が、

「社会通念上事業と称するに至る程度で行っている」場合や

「給与等の収入があり年間売上300万円以下だけど、事業といえるだけの理論武装がある」場合は

引き続き事業所得での申告でよいですが、該当しない場合は雑所得になるのでご注意ください。

【令和4年10月追記】

 通達改正案に対する意見が多数あったことで見直しがされました。

具体的には、所得税法上、事業所得者には、帳簿書類の保存が義務付けられているところ、一般に帳簿書類の保存がある場合には、営利性や有償性、継続性や反復性、自己の危険と計算における企画遂行性があると考えられることから、反証に代えて、帳簿書類の保存がある場合には、原則として、事業所得に区分することとされています。

 事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定するという点には変わりはないものの、収入金額が300万円以下であっても、帳簿書類の保存があれば、原則、事業所得に区分されることとなります。

 自分の考えや思いを実現するために、また残される子供たちができるだけ争うことにならないために、他にも色々な理由で遺言を作成している人も多いと思います。

 もしも過去に作成した遺言の中に書いてある財産の一部、例えば土地をその後売却していた場合どうなるでしょうか。

遺言の中に様々な財産が書かれており、その中に土地も書かれている。

しかし遺言作成後、事情により土地を売却した。

そして相続が発生し、遺言の内容を確認してみると、書かれている土地をすでに所有していないことが分かった。

 結論としては、その売却していた土地に関する部分のみが撤回されたということになり無かったこととなります。

逆に言うと、遺言のその他の部分は有効となります。遺言に書いてある財産の内容が変わっているからといって、遺言全てが無効になることはありません。

遺言を作成したあと、財産の一部を処分したからといって、必ずしも遺言を作り直す必要はないことになります。

ただし、財産の内容が変わったということは、例えば子供2人が相続人だとすると、その売却した土地を相続する予定だった子の相続する割合が減少する可能性があります。

ですので、財産の内容に大きな変化があった場合などは、遺言の内容を再確認し必要に応じて作り直すべきかもしれません。

①遺言に書いてある財産を処分すると、その財産の部分のみ無かったことになる。

②遺言は作ったら終わりではなく、作った後のメンテナンスも必要。

③財産に大きな変化があったなら、作り直しも検討。

よつば会計

中田 裕介

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