税理士の手嶋です。
2023年税制改正大綱が公表されました。
ニュースでは防衛費増額に向けた増税方針とNISAの抜本的拡充と恒久化が大きく取り扱われています。 NISAは良いとして、防衛費に復興税って、唐突ですね。
復興は終わったのですか?復興税の転用で被災地にしわ寄せはないのですか? 丁寧な説明で納得が得られるのでしょうか・・・、やれやれ。
さて今回の大綱は相続・贈与、NISA、インボイス制度と確認すべき改正が多く出ましたが、 相続税関連の改正について触れます。
①生前贈与加算制度の見直し(加算期間の延長)
生前贈与加算は3年から7年へ延長されました。加算対象者の範囲については変更はなさそうです。 令和6年1月1日の贈与から適用されます。 令和9年1月1日以後開始の相続からだんだん加算年数が長くなり、 令和13年1月1日以後相続開始となると加算期間が7年間になります。
②相続時精算課税制度の見直し
相続時精算課税制度についても年110万円の基礎控除を導入されます。 また、相続発生時の加算額の計算が基礎控除110万円の控除後となっています。大きな変更点ですね。
生前贈与による節税を考える場合に、暦年贈与と精算課税贈与の有利不利を検討して 制度を選択することになりそうです。
③その他
教育資金の一括贈与・結婚子育て資金の一括贈与が延長され、内容が見直しされました。 マンションの相続税評価ついては具体的な算定方法や改正時期は不明です。 まだ他にもありますがここでは省略します。
相続税と贈与税の体系の見直しは3~4年前から予告されていたものがようやく公表されました。 暦年贈与は複雑になりすぎなかった点は良かったと思います。 何にしても改正内容が決まりましたので、相続税対策として何が有効か、今後整理してお伝えします。