税理士の手嶋です。
平成30年税制改正大綱が公表されました。
給与所得者への増税、事業承継税制の大幅な緩和など大きな改正があります。
【所得税の主要な改正】
・給与所得控除の改正 一律10万円減(年収850万円で195万円が上限)
・公的年金控除の改正 一律10万円減
・青色申告控除の改正 65万円控除→55万円控除(e-taxで申告すれば65万円)
10万円控除はそのまま
・基礎控除の改正 38万円→48万円
合計所得金額2400万円を超えると控除額が逓減し、2500万円を超えると0円になる
これらは2020年からの改正予定です。
給与所得控除は以前から多すぎると指摘されていました。増税というよりはこれまでの是正のように思います。
青色申告特別控除の改正は違和感あります。
取引を正確に記録し、申告内容を担保することがその趣旨ですが、電子申告普及のために使われるのですね。他の方法はなかったのでしょうか。
その他、小規模宅地の特例、一般社団法人、所得拡大促進税制の見直し・拡充、事業承継税制など今回の改正は実務に関連するものが多いです。
年明けからは確定申告も始まりますが、詳しい内容が明らかになったらお勉強です。
税理士の手嶋です。
7月3日に国税庁が相続税や贈与税の算定基準となるH29年度の路線価を発表しました。
全国平均では2年連続の上昇、13の都道府県が上昇しており、広島県もその1つでした。
上昇は、中国地方だと広島県、九州だと福岡県のみです。都市部への人口集中、地価上昇が表れています。
東京は最高路線価バブル期超えとのことで、地方とは別次元です。
H25年の路線価について、以前ブログに書いたことがありますが、そのときは5年連続で下落していました。当時と比べると地価と株価はかなり上昇しました。
広島市の最高地点は例年通り“中区胡町福屋百貨店前の電車通り”です。
H29年の㎡単価は2560千円です。
H25年は1770千円、過去最高のH4年10720千円でした。
坪単価に直すと、H4年3537万円、H25年584万円、H29年844万円です。
結構、値動き激しいです。
広島県の標準宅地の対前年比変動率は+1.2(H28年は+0.5)です。
この数値は広島県全体での数値です。
ここ2~3年、不動産価格は上昇局面のため、売却のお手伝いをすることが多く、売買金額が上がっていることを実感していました。広島市内の変動率はもっと上昇しているはずです。
そういえば、基礎控除の引き下げは、地価下落が続いて課税対象者が減ったことも要因だったと思うのですが、引き下げ決まってから地価上昇しているのですね。
今後、広島の不動産はどう変化しますかね。
上がり方が急なので一息つくようにも思いますが、さて。
税理士の手嶋です。
今年も残すところあとわずかになりました。
お客さまと「本年、1年間ありがとうござました」とあいさつを交わすと
1年が終ることを実感します。
さて年末ということで、平成29年税制改正大綱が発表されました。
所得税の配偶者控除の抜本的な改正が見送られたこともあり、大きな改正はない印象でした。
今後の配偶者控除と社会保険の関係には注目ですね。
個人的には、株式評価の見直し、医療法人関連の改正が顧問先に与える影響が気になります。
タワーマンション節税の根本的な問題である、マンションを
建物と土地に分けて評価する点はそのままでした。
超高層マンションだと区分所有建物と敷地の数%を所有、
これを別々に評価するというやり方が市場価格と乖離しているのですが、
建築が抑制されるような改正はしないのでしょう。
政策的に、ここはあえて触らないのだと思います。
税法はただ条文を読んでもわからないことが多いですが、
その条文の立法趣旨や保護法益を知ることで本当の理解ができます。
税制改正も同じで、政治・経済事情などを踏まえ、問題は何なのか、
背景に何があるのかを考えると、単なる変更ではない部分が見えてきます。
税法はよくできていて、なかなかおもしろいです。
税理士の手嶋です。
昨年から話題には上っていましたが、先日、タワーマンション購入による節税
に対する国の対応方法が出ました。
新聞や週刊誌に大々的に記載されるような行き過ぎた節税が
野放しにされるわけもなく、当然の流れです。
現状の通達での対応か、評価方法での対応か、という点に注目していましたが、
固定資産税評価額そのものを見直すとのことで、わかりやすい方法だと思います。
節税を目的に意思決定をしてはいけませんね。
当たり前のことなんですけど。
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総務省と国税庁は、2018年にも価格の割に相続税が安く済む高層マンションを
節税目的で購入する動きに歯止めをかける検討に入りました。
現在は、階層や購入価額にかかわらず一律となっている相続税の「評価額」を、
高層階に行くほど引き上げ、節税効果を薄め、実際の物件価格に合わせ階層によって、
「評価額」を増減するよう計算方法を見直すようです。
税理士の手嶋です。
先日、眼科のお客様のところへ普段の休診時間ではなく診療時間中にお伺いして、
目を検査してもらいました。
目は少し乾くくらいで、特に気になる症状があったわけではないのですが、
医院を見てみたいと思っていたので、お願いしました。
自分が診察を受けることで、実際の医院の雰囲気、検査から診察への流れ、
スタッフ・先生の患者対応が体験できました。
損益や収支は知っていますが、医院の現場については知らないことばかりで
よい職場見学になりました。
例えば、この医院は医療機械の購入が続いていたのですが、
それらが診察にどのように活かされているのかよくわかりました。
非常に鮮明な画像で説明を受けることで、あいまいさがなくなり、
いまどういった状態なのかが誰にでも理解できます。
わかりやすいから納得、安心できて満足度も高くなります。
良い循環ができて経営にも役立っているなと感じました。
短い時間ではありましたが、今後いろいろと相談を受けたときに役立ちそうです。
やはり現場に行ってみる、体験してみるって大事ですね。
ちなみに目はひどい近視ですが、病気はありませんでした。よかった、よかった。
税理士の手嶋です。
新年度が始まりましたね。この時期は、子供の進級で月日の流れを感じるようになりました。
「もうこんなに大きくなったのか。あれから何年たったのか~」とつい振り返ってしまいます。
さて、いろいろなスタートを切る方がいる中、新規事業を立ち上げる方もいます。
たくさんの税理士がいる中で縁あって、起業というその人の人生で非常に大事な場面で
役に立てるのはうれしいものです。
事業計画書の作成、金融機関融資の支援、補助金の申請など手のかかることも多いですが、
やりがいのある仕事です。
お客様に感謝され、「ありがとう」といってもらえる仕事に就いていることは
非常に幸運だと思います。
本年もたくさんのお客様の「ありがとう」が聞けるように、気持ちも新たに頑張ります。
税理士の手嶋です。
相続税対策において、生命保険金の非課税枠の活用は良く知られています。
「生命保険金等の非課税限度額=法定相続人の数×500万円」ですね。
具体的には、配偶者と子供2人なら法定相続人は3人になり、1500万円までの生命保険金に
相続税は課税されないことになります。
このような非課税の取り扱いがあっても、年齢や健康状態に問題があれば生命保険に加入することが
できませんが、最近は少し事情が変わってきたようです。
それが一時払い終身保険の加入条件の緩和です。
一時払い終身保険はその名の通り、保険料を一時払いし、生涯の死亡保障を確保する保険です。
例えば、保険料1500万円を支払い、死亡保険金1500万円受け取る保険です。
この保険自体は以前からあるのですが、加入年齢がせいぜい80才台まででした。
それがいまは保険会社によっては95才まで加入年齢が引き上げられているものがあります。
この保険は、利回りが低いため受取保険金はあまり増えない商品がほとんどです。
また契約時にまとまった保険料を支払うため資金にある程度余裕が必要ですが、
健康状態の告知や医師の診査が不要です。ということは、いつでも入れます。
仮に1500万円を定期預金にした場合には、まるまる相続税が課税されますが、
死亡保険金として受け取れば上記の生命保険金の非課税が利用できます。
生命保険金の非課税枠が残っていて、資金に余裕があり、他の保険には
入れない場合には検討の余地があります。
経済的な実態がほとんど同じでも定期預金か生命保険金かで課税の在り方が違います。
生命保険金の非課税については「高所得者の節税目的の利用が少なくない。」と
会計検査院から指摘を受け、法改正の動きも以前ありました。
今後の税制がどうなるかはわかりませんが、いまのところは節税になります。
それにしても95才には驚いた・・・。
税理士の手嶋です。
とうとう消費税が8%になりました。
4月1日を境にいろいろなモノの値段が変わったようです。
僕が好きなちからの肉うどんも580円から600円になっていました。
飲食店は1円単位の値段設定はほとんどしてませんね。
値決めが難しそうです。
消費税は間接税であり、最終消費者が負担することが大原則です。
しかし実際の商売において、消費税分の値上げを価格転嫁できなければ、
事業者自身が負担することになります。
事業者が負担することになると、法人税のように利益に対する課税ではなく、
取引に対する課税であるため、非常に負担が重いです。
税率アップによる値上げのため、売上高が下がるのではないかと心配になりますが、
適正利益を確保するためには消費税分の価格転嫁は必要です。
消費税は8%になり、払うのも大変、もらうのも大変です。
さらに平成27年10月には税率10%への引上げも控えています。
8%になり1円の流通量増えると予想されているそうです。
僕自身は買い物をカードか電子マネーでしており、実感とは違う気がしますね。
ちなみにwikiによると1円玉の製造コストは約3円らしいです。
税理士の手嶋です。
昨日、税制改正の勉強会に参加した後、ご飯を食べに行くお店までの道中、
午後9時にもかかわらず引っ越し作業をしていました。
「お疲れさま~」と思いながらその場を去ったのですが、午後11時過ぎ、
食事を終えて帰宅していると今度は別の場所でまた引っ越し作業中です。
引っ越し業者さんも、一年で一番忙しい時期とはいえ、大変ですね。
さて、前回の続きです。
所得の分散のメリットは所得税の軽減だけではありません。
相続税の軽減にもなります。なぜなら収入から発生する預貯金の増加も分散されるからです。
1人の名義で財産が形成されると、相続税も累進課税のため税負担が重くなります。
消費税にも影響します。
前々年の課税売上高が1,000万円を超えていると消費税の課税事業者になります。
したがって売上高が分散され、1,000万円以下になると免税事業者になります。
事業税もある程度の規模から課税されるため所得の分散により、課税されなくなります。
建物の移転コストや健康保険料の負担増と言ったデメリットもあり、検討が必要ですが、
メリットの方が大きいことが多いようです。
法人を設立して建物の所有権を移すのも、同じく所得の分散を図る目的があります。
給与所得控除の縮小、最高税率の引上げ、控除の見直しなど個人課税が強化傾向です。
まず仕組みから見直すことも考えてみましょう。
税理士の手嶋です。
確定申告が終わり、ほっと一息ついたところです。
それにしても暖かくなってきましたね。陽も長くなり、いよいよ春です。
さて今回は所得税の節税についてです。
以前にも青色申告65万円控除の適用、減価償却方法の変更、小規模企業共済の加入に触れました。
しかし、もっと根本的に効果があるのは ぶ・ん・さ・ん “分散” です。
所得税は累進課税制度のため、所得が多くなればなるほど税負担が増します。
例をあげますと、サラリーマンで配偶者(所得なし)と扶養親族1人(38万円の控除)の場合、
年収500万円だと所得税・住民税の合計は約25万円です。
これが年収1,000万円になると所得税・住民税の合計は約120万円になります。
収入は2倍、税金は4.8倍です。
1人で稼ぐよりも、2人で1,000万円稼ぐ方が基本的には税負担は少ないわけです。
収入の種類によってはコントロールが難しいです。
しかし不動産収入は誰に帰属させるのか、仕組み作り次第で家族全体の税負担が大きく変わります。
貸事務所・貸店舗やアパートの収入は建物の所有権移転によって移動します。
土地の所有権移転は必要ありません。
どの建物を移すか?
どうやって移すか?
誰に移すか?
法人を有効活用できないか?
この部分は仕組みの根幹です、税理士に相談した方がいいでしょうね。
最初の仕組みづくりは大事です。
次回へ続く・・・・