2.給付金
持続化給付金
残念ですが、個人経営の不動産賃貸業は「持続化給付金」の給付対象外となっており申請できません。
ただし、不動産賃貸業を法人で経営している場合は令和2年1月から令和2年12月の間の1か月間の売上高が前年の同期と比較し50%以上減少していれば申請することできます。
3.税の申告納税
新型コロナの影響で、納税資金に窮している場合には、税の申告納税期間の延長をすることができます。また、来年度に限り、事業用建物と事業用の償却資産に対して、固定資産税の50%減額や全額免除が受けられる措置が手当てされました。
① 申告期限の延長
新型コロナの影響で、申告書を提出することができない場合は、今年度は個人も法人も確定申告の期限は提出した日とされています。確定申告にかかる所得税・法人税などの納付期限も提出した日となりました。申告を遅くすることによって納税期限も遅くなります。
② 納税猶予
最近1か月間の売上高が前年の同期と比較し20%以上減少している場合、納期の到来している所得税・住民税・固定資産税の納税が1年間無利息で猶予されます。
これを受けるためには納税猶予の申請が必要です。
③ 固定資産税・都市計画税の減免
来年度の固定資産税のことですから、申請の手続きは令和3年1月31日までに行います。
令和2年2月から10月の間の連続する3か月の売上が前年の同期と比較し50%以上減少している場合は100%免除されます。
30%以上50%未満の場合には50%に減額されます。
対象となるのは事業用建物と事業用償却資産の固定資産税で、土地の固定資産税は減免されません。
※掲載の内容は、令和2年6月1日現在のものです。
1.資金繰りの支援
新型コロナの影響で、家賃の滞納や免除・値下げなどが多発し借入金の返済に窮するような事態になった場合は、借入の条件や返済の条件が緩和された借入金を利用することができます。
返済の据置期間を設定することができ、10年くらいでゆっくり返し、無利息の期間もあります。
既存の借入金額が大きく、資金導入で間に合わない場合には、返済の据置期間を設定した借り換えや返済期間の延長などに対応してもらうことができます。
①日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」
最近1カ月の売上高が、前年または前々年の同期と比較し5%以上減少している場合に利用できます。
申し込みの相談窓口の混雑は大分解消されてきたようです。郵送で申し込むこともできます。
②セーフティネット保証4号(100%政府保証)
最近1か月間の売上高が前年の同期と比較し20%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高が前年の同期と比較して20%以上減少することが見込まれる場合に利用できます。
まずは取引している金融機関の担当者に相談してください。
③セーフティネット保証5号(80%政府保証)
市区町村長の認定を受けた中小企業者が対象です(不動産賃貸業は指定業種に含まれます)。
最近3か月間の売上高が前年の同期と比較して5%以上減少している場合に利用できます。
まずは取引している金融機関の担当者に相談してください。
※掲載の内容は、令和2年6月1日現在のものです。
役員報酬は、原則事業年度を通じて毎月同額でなければなりません。
もし事業年度の途中で金額を変更した場合には、役員報酬の一部を損金に算入することができません。(経費になりません)
とはいえ新型コロナウイルスの影響により業績が急激に悪化し、役員報酬を減額せざるを得ない方も多いと思います。
このような非常事態でも役員報酬を減額することは認められないのでしょうか。
答えは、「新型コロナウイルスのような想定できなかった事情が起き、経営状況が著しく悪化した場合は、役員報酬を減額することが認めれらます。」(経費として認められます)
税務調査の際には、役員報酬減額に至った経緯を客観的かつ具体的に説明する必要がありますので、役員報酬の減額を決議した議事録を作成し、売上の激減が分かる試算表や資金繰り表などを保存しておくことが大切です。
また、一時的な資金繰りの都合や予算を達成できなかったなどの理由では役員報酬減額が認められない可能性がありますので、ご注意ください。
税理士の檜山です。
4月30日の補正予算案が成立され、5月1日から持続化給付金の申請の受付が始まりました。2020年中の任意の月の売上高と前年同月の売上高を比較し50%以下となる場合、個人事業主には最大100万円、中小法人等には最大200万円を支給する制度です。
締め切りは2021年1月15日までです。
インターネットによる申請のみ行われており、確定申告書等の添付書類はPDF等により添付することとなります。電子申告により確定申告を行っている場合は、「メール詳細」(税務署からの収受印代わりになるもの)の添付も必要です。
2019年に新規開業した場合や法人成した場合には、一定の特例計算の方法も設けられています。
数件申請のサポートをさせて頂きましたが、システムも思ったより入力しやすいものでした。
https://www.jizokuka-kyufu.jp/
新型コロナウィルスの影響で、確定申告の期限が延長されました。
申告所得税・贈与税・個人事業者の消費税の申告期限及び納付期限が、令和2年4月16日(木)まで延長されました。
振替納税を利用している場合の振替日も、申告所得税が令和2年5月15日(金)、個人事業者の消費税が令和2年5月19日(火)に延長されました。
申告はすでに終わったという方も多いと思いますが、振替日にも要注意です。
また、新型コロナウィルスの影響で国税を一時納付することができない方は、税務署へ申請することにより、原則1年以内に限り納税が猶予される場合もあります。
よつば会計
中田 裕介
令和2年の所得税から、給与所得控除・基礎控除の控除額の見直しが行われます。
① 給与所得控除の引き下げと上限の見直し
令和2年分の所得税から、サラリーマンなど給与所得者の給与収入から控除される「給与所得控除」の控除額が10万円引き下げられます。
また、控除額の上限額が適用される給与収入が850万円(改正前:1,000万円)に、控除額の上限が195万円(改正前:220万円)に引き下げられます。
② 基礎控除の引き上げと所得制限
個人の合計所得から一律に控除される「基礎控除」の控除額が10万円引き上げられます。(38万円 → 48万円)。
また、新たに所得制限が設けられ、合計所得金額が2,400万円を超えると控除額が段階的に縮小し、2,500万円を超えると控除の適用外になります。
③ 税負担に影響のない人
上記①と②の改正が同時に行われることで、年収850万円以下の人については、実質的な税負担は変わりません。扶養の範囲である103万円の壁なども変わりません。
④ 税負担に影響のある人
年収850万円超の人については、税負担が増えることになります。
ただし、障害者や扶養親族がいる人については、新たに「所得金額調整控除」が設けられ、税負担の緩和が図られます。
⑤ 個人事業主などは税負担が軽減されます
個人事業主など給与所得でない人のうち合計所得金額が2,400万円以下の人は、基礎控除の引き上げにより税負担が軽減されます。
令和1年分の年末調整と同時期に、職場へ「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出した方も多いと思います。
そしてその最下段に、「単身児童扶養者」という欄が新たに設けられています。
ここはどういった場合に記入するのでしょうか?
申告書の裏面に単身児童扶養者についての説明は書いてあります。そこでは・・・
「所得の見積額が48万円以下の児童について、児童扶養手当の支給を受けている当該児童と生計を一にする父または母のうち婚姻をしていない者または配偶者の生死が明らかでない者」
と書いてあります。
ここで引っかかったのは、【婚姻をしていない者】の範囲でした。
一度婚姻をしてその後離婚をした人も、今は婚姻していないと言えそうだしなぁ・・・。
なかなかスッキリしなかったので、役所の窓口で確認してみました。
その結果・・・
「一度婚姻した後に離婚し現在一人で児童を扶養している場合は、単身児童扶養者には該当しない」とのことでした。
そもそもこの場合は以前よりある【寡婦】に該当します。
ここでいう【婚姻をしていない者】とは、「婚姻をせずに」児童と生計を一にしているような場合となるようです。
いわゆる「未婚の母・父」ということでしょうか。
日本語って難しい。
よつば会計
中田 裕介
収入と混同しがちな言葉に「所得」があります。この時期、「私の所得っていくらですか?」や「所得って年収の事ですか?」などの質問をよく受けます。「収入」と「所得」について、まとめてみました。
収入と所得の違いとは
① 収入(年収)とは
収入が給与(賞与を含む)のみの場合、給与の手取り額ではなく、所得税の源泉徴収や社会保険料等を差し引く前の額が「収入(給与収入)」です。なお、非課税の通勤手当は収入に含まれません。
② 所得とは
収入(給与のみの場合)から給与所得者の必要経費にあたる「給与所得控除」を差し引いた額が「所得(給与所得)」になります。
③ 給与収入103万円 = 所得38万円
給与収入が103万円の場合、給与所得控除は65万円です。103万円 - 65万円 = 38万円が所得になります。
したがって、「給与収入103万円」と「所得38万円」は同じ意味になります。
④ 課税所得と所得税
所得38万円から基礎控除38万円を差し引いた額が「課税所得」になります。
「課税所得」に所得税率を乗じた額が「所得税」になります。
つまり、年収103万円 (または所得38万円)は、課税所得が0円になるため、所得税が課税されないというわけです。よく聞く「103万円以内で働くと税金がかからない」というのは、こういう仕組みです。
2019年10月1日の消費税率の引き上げにより、取引や請求書が10月1日をまたぐケースが発生します。
事例をいくつかみていきましょう。
①保守サービス料金
複合機のカウンター料金などの保守サービス料金は例えば、保守サービス会社(サービス提供側)が、請求締日を20日に設定し、月ごとの保守サービスについて料金を請求する場合、「9月21日~10月20日まで」を請求期間とする請求書が発行されます。
この場合、「9月21日~10月20日まで」の計算期間が1つの取引とされ、サービスの提供完了日は10月20日となり、請求書の全期間について新税率10%が適用されます。
月額契約の保守サービス料を1年分一括して支払った場合、その保守サービスが月々完了するものであれば、10月以降分には新税率10%が適用されます。
②リース料
2019年9月30日までに物件の引き渡しを受けた通常のリース契約(所有権移転外ファイナンスリース)については、10月1日以後に支払日が到来するリース料であっても旧税率8%が適用されます。
リース料を支払の都度、費用計上している場合には、旧税率8%で会計処理を行う必要があるため注意が必要です。
③店舗や事務所などの不動産賃貸料
翌月分の家賃を当月末に支払う契約の場合、2019年9月末に支払う10月分の家賃には、新税率10%が適用されます。
ただし、経過措置が適用される場合があります。
2013年10月1日から2019年3月31日までに賃貸借契約が締結され、2019年9月30日以前から継続して行われている不動産の貸付については、一定の要件を満たせば、不動産賃貸借契約は経過措置の適用を受け、旧税率8%が引き続き適用されます。
家主とテナントとの間で、経過措置の適用について相違がないように、契約内容が一定の要件を満たしているかどうか、以下の記載があるかを確認しましょう。
1. 貸付期間と期間中の家賃の額
2. 家賃の変更を求めることができない旨(この要件を満たす賃貸借契約書は一般には少ない)
まず最初に「タワーマンション」とは、高さ60m以上(階数にしてだいたい20階以上)の居住用高層建築物のことを指します。
このタワーマンションの各部屋の所有者は、固定資産税を毎年負担するわけですが、平成29年度に(少し前の話にはなりますが・・・)固定資産税の計算方法の見直しが行われています。
従来は、高層階の人も低層階の人も、固定資産税の負担割合は同じでした。
もちろん部屋の広さが異なれば負担額も異なりますが、もし部屋の広さが同じであれば、高層階でも低層階でも同額の固定資産税を負担することになっていました。
しかしこの改正により、平成29年1月2日以後に新築されたタワーマンションから、高層階ほど固定資産税の負担割合が多く、低層階ほど少なくなるように調整がかかるようになっています。(平成30年度分の固定資産税から)
※以前から所有しているタワーマンションの場合は、調整されません!
シンプルな例で考えますと、
ある20階タワーマンション全体の固定資産税が1,000万円とします。
従来は各階が50万円ずつ負担していたわけですが、
改正後は高層階ほど負担割合が多く、低層階ほど少なく調整されます。
タワーマンションですから、どうしても高層階ほど人気が髙く、分譲価格も高くなるのが一般的です。
それなのに固定資産税の負担は同じなのですか!?
という不公平感はこれで多少は減ったのではないでしょうか。
よつば会計
中田 裕介