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税理士の手嶋です。

 

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ブログの更新ですが、少し間が空いてしまいました。師走は何かと忙しいですね。

 

前回は、上場株式等の軽減税率が平成25年をもって廃止されることをお伝えしました。

日本株の場合には12月25日までの約定分までが軽減税率10%(※)となり、

12月26日以降は20%(※)とのことです。あと1週間です、手続きはお早めに。

(※)復興特別所得税を除いています。

 

その他に、贈与税の基礎控除額110万円は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に

贈与により取得した財産の合計額から差し引きします。

毎年の基礎控除額110万円は、その年の贈与からしか控除できません。

今年も残りわずかです、有効に使いましょう。

 

贈与はもっとも手軽にできる相続対策です。

ただし、単に毎年贈与をするだけですが、なかなかご自身だけで継続されている方は

少ないように思います。

 

プロのテクニックとは、誰も知らない方法ではなく、誰もが知っている方法を継続・反復し、

確実に積み重ねて、大きな効果を得ることです。

 

「やらないといけないな~」と思っている人は、急ぎましょう。

 

いつやるの?

いまでしょ!

 

税理士の手嶋です。

 

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少し前のことですが、東京税理士会所属の宮田泰夫先生の研修会に参加しました。

内容は相続税の土地評価の具体例や相続ビジネスの勘所、落とし穴についてです。

 

写真やイラストが多数使われた講義は非常にわかりやすく、相続税の土地評価を中心に、

実務で迷うようなポイントについて丁寧に解説されていました。

 

軽軽豊富な方の話を聞くのは非常に勉強になります。

土地の評価をするときは必ず現地確認をして、地目、利用状況、権利関係、減額要因といった

様々なことを調べますが、見るべきポイントや検討事項について参考になる部分が多かったです。

 

土地の評価方法は、課税の公平を図るため財産評価基本通達で一応は明文化されていますが、

細かなところまでは決まっていませんし、論理的な解釈をして判断しなければならないことが

多くあります。

 

例えば、著しい高低差、不合理な場合、総合的に判断、参酌して評価などなど・・・・

あいまいな部分は、公表事例や経験則から評価方法を検討します。

分かりきったことをまとめている本はたくさんありますが、有効なノウハウに関する情報は

なかなか無いので、非常に有益な研修でした。

 

それにしても土地の評価は奥深いです。

[2013.11.01]
戦前の相続税

税理士の手嶋です。

 

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朝晩が寒くなりました。早いもので11月です。今年も残すところ2カ月、大事に過ごしましょう。

 

先日、弁護士からの相談で、戦前戦後の相続税について調べる機会がありました。

税務大学校の教授が書いた、「相続税100年の軌跡」なるものがあり、

そもそも相続税が日露戦争の戦費調達のために創設されたこと、

ヨーロッパ各国の税制を調査し、参考にしながら独自の仕組みを考案して組み立てたこと

などの記述がありました。

 

明治31年から昭和22年までは、相続と言えば家督相続でした。

この当時は贈与税の課税はなく、推定相続人など特定の者に高額な贈与をした場合には

相続が開始したものとみなして相続税を課税する特殊な形態をとっていたようです。

 

相続は死亡によって開始する、いまの民法の考え方とは違います。

 

また納税手続きは、相続人が自ら申告をする現行の申告納税方式ではなく、

財産目録の提出を受け、政府が課税価額を通知する賦課課税方式だったとのこと。

ここも大きく違います。

 

その他、昭和25年には相続税の最高税率が90%だったことなど、なかなか興味深い内容でした。

課税の在り方は時代によって変わるものだな~と改めて感じました。

税理士の手嶋です。

 

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マイナンバー法は、平成25年5月末に官報公布され、平成27年10月頃に施行される見通しです。

同制度では、住民一人ひとりに12桁の個人番号を割り当て、まずは社会保障・税・防災の分野で

平成28年1月から運用が始まります。

確定申告書やその他の税務署提出資料にも個人番号を記載することになります。

 

ところで法人番号に触れる報道はほとんどないため社会的な認知度は低いのですが、

企業に対しても、国税庁が法人番号を割り当てます。

法務省が管轄する商業・法人登記に記載されている12桁の「会社法人等番号」を基にして、

13桁の新しい番号として生成して通知することになっています。

 

(1)企業などの商号または名称

(2)本店または主な事務所の所在地

(3)法人番号

 

からなる「基本3情報」は、国税庁が公表し、公表された法人番号は、民間でも自由に使え、

利用範囲の制限はありません。

当面は民間企業の利用を認めず、不正利用には厳罰を科す個人番号とは対照的です。

 

現在、法人には先の12桁の「会社法人等番号」の他に、所轄税務署による8桁の整理番号もあります。

整理番号は所轄税務署ごとの番号であるため本店所在地が移転し、所轄税務署が変わると

整理番号も変わります。

移転の度に整理番号が変わるのは、国税にとっても管理しにくいでしょうから、

マイナンバーが始まればそちらに変わるかもしれません。

その他、県税、市税も独自の番号を振っていますので、新たな共通番号に変わり

管理の無駄がなくなればいいですね。

 

とにかく住基カードみたいにあれは何だったのって??ならないように願います。

システム構築して終わりではなく、国民の生活に役立つ有意義なものになるように期待しています。

[2013.09.09]
婚外子裁判

税理士の手嶋です。

 

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東京オリンピック決まりました。良かったですね~。

7年後というのに少なからず高揚感があります。是非、観戦したいものです。

 

さて本題、先日、最高裁判所により、嫡出子と非嫡出子の相続分の取り扱いについて、

憲法で保障される法の下の平等に反しているとの違憲判断が下されました。

 

民法第900条(法定相続分)四のただし書きにおいて

「・・・嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、・・・」

とあります。

簡単に言うと、結婚していない男女の間に生まれた子供の相続の権利を半分にしています。

この取り扱いを学んだとき、こんな差別していいのか!?と疑問に思ったものです。

 

この相続格差をめぐる司法判断の動きは1993年の東京高裁の違憲判断から

20年を経過してようやく決着したわけです。

それにしてもどうしてこんなに長くかかるのか。

もう少し何とかならないのでしょうか。

 

今回の違憲判断は相続税法にも影響があります。

相続税はその計算過程で、民法900条の規定による法定相続分により分割したものと

仮定して計算することになっています。このとき適用される税率が決まります。

 

この他税法には法律婚を重視した規定が多くあり、これらは内縁関係では適用されません。

所得税の配偶者控除・寡婦控除、相続税の配偶者の税額軽減、

贈与税の居住用家屋の特例贈与などがそうです。

 

たしかに法律婚ならば戸籍により客観的に判断できても、

事実婚を客観的に判断するのは難しいです。

 

しかし家族観やライフスタイルは変わっていきます。

今後はますます時代に合わせた法の整備が求められます。

[2013.08.09]
お客様への説明

税理士の手嶋です。

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税法の条文には、その立法趣旨や制定に至った背景があります。

原則的に税法は課税の公平を最も重視しています。

その他そのときどきの政治や時代背景なども大きく影響しています。

 

簡単な例で言うと、役員報酬が経費になるには定期同額給与といって、

一定期間、同額の給与が支給されていることが条件になります。

原則として期中での給与の増減が認められていないのです。

 

ではどうして認められないのか?

それは役員報酬を決めるのは役員であり、役員が自分の役員報酬を自由に変更できれば、

法人の所得を調整することができるからです。

 

これを顧問先に説明するのに、単に役員報酬は変えてはいけませんでは、

「どうして?」ってことになりますが、法人の恣意性の排除及び利益操作の防止等の趣旨を

説明することですんなり納得してもらえます。

 

以前も書きましたが、

 

難しいことをやさしく

やさしいことを深く

深いことを面白く

 

伝えたい。

 

そのためにお客様への説明にはできるだけ趣旨や背景を話すように心がけています。

ただ僕は教えたがりなとこがあって、ついつい話しすぎてしまうので

あまりくどくならないように注意しています。

税理士の手嶋です。

 

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今日は不動産の共有持分についてです。

 

マイホームを3,000万円で取得し、支払いは夫が1,000万円、妻が1,000万円、

残りの1,000万円は同居する親が負担しました。

この家はすでに登記されており、共有持分は、夫:妻=9:1でした。

これで税務上問題ないのでしょうか?

 

不動産を共有名義で取得する場合の持分割合は資金の負担割合に応じて決まります。

上記の例では、夫:妻:母親=1:1:1が正しい持分割合になります。

 

資金の負担割合と共有持分が違うと、資金を負担した妻と母親から夫に対して

贈与があったと認定されてしまいます。

 

この問題のもっともシンプルな解決方法は共有持分を正しい割合に直すことです。

 

その他、共有持分の割合を訂正しない場合には夫と妻、夫と母親の間で

金銭消費貸借契約を結ぶ方法もあります。

ただしこの方法を選択するには、夫は実際に妻と母親に借入金を返済する必要があります。

返済が行われず、あるとき払いの催促なしでは実質的に贈与と変わりなくなってしまうからです。

親族間の借入れについては契約書の作成、通帳に返済の証拠を残すなど注意点があります。

 

不動産の共有持分と資金の負担割合が異なる事例は結構あります。

思いもよらない税金がかからないように注意しましょう。

税理士の手嶋です。

 

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過払い金請求ってわかりますか?

消費者金融等からお金を借りて、利息制限法の上限金利(15%~20%)を超える金利の

支払いをしていた場合に、その払い過ぎた利息のことを過払い金といいます。

 

平成13年5月までの法定上限金利は40.004%でした。

1,000万円借りたら、金利が400万円です。すごい金額です。

これを利息制限法で計算すると金利は150万円となり、払い過ぎ部分は250万円です。

この上限金利40.004%はその後、出資法の上限金利である29.2%になり、

そして利息制限法の20.0%に変わっています。

 

数年前までこの過払い金請求が弁護士、司法書士に特需をもたらしていましたが、

それも今はだいぶ落ち着いてきたようです。

 

この過払い金請求をし、返還があった場合の税務上の取り扱いについては以下のようになります。

①    家事上の借入金の場合

 過払い金・・・課税関係なし
 過払い金に付された利息(以下「利息」)・・・支払いを受けた日の年分の雑所得



② 事業にかかる借入金の場合
 (1)事業的規模の不動産所得・事業所得等の必要経費に算入していた場合
         過払い金・・・判決のあった日の即する年分の総収入金額に算入
         利息   ・・・支払いを受けた日の年分の総収入金額に算入

 (2)事業的規模でない不動産所得・事業所得等の必要経費に算入していた場合
         過払い金・・・必要経費に算入した各年分の所得税を修正
      利息    ・・・支払いを受けた日の年分の総収入金額に算入


過払い金に付された利息については所得が生じたと考えて家事上、業務上を問わず

課税対象になっています。

 

家事上の雑所得の場合、給与所得者なら20万円を超える金額だと申告義務が生じますが、

20万円以下の金額なら申告義務はありません。
 

事業にかかる借入金で事業的規模の場合、遡る必要がなく、その年の確定申告に

反映させればよいので簡単です。

事業的規模でない場合、過去の申告につき修正申告をする必要があるため少々面倒です。

ただし、国税の時効は法定納期限から5年なので過払い金問題の時期から考えると

申告の必要はないものがほとんどかもしれませんね。

税理士の手嶋です。

 

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先週はよく雨が降りましたね。

それまで梅雨らしくなかった分、まとめてでした。

土曜日に野球観戦したのですが、その日だけ晴れでした。

誰かの行いが良かったのでしょう。

試合は残念ながらカープの完封負けでしたが・・・。

 

さて、こんな梅雨時期に年度末を迎える人たちがいます。

税務署の人たちです。

税務署は7月から6月までが事務年度となっており、

毎年7月10日が定期異動日です。

 

税務職員は7月に異動して調査法人を選定し、調査にかかります。

 

そのため8月~12月までの税務調査は十分に時間があるため要注意ですね。

本格的な調査はやはり秋が多いです。

 

1月~3月については個人の確定申告の時期になります。

税務署、税理士とも多忙なため税務調査は少ないです。

 

5月~6月については6月が事務年度の区切りになるため、

調査を長引かせられない事情があります。

ただし繰越しとか引き継ぎという手もあるようです。

 

また税務職員には件数のノルマがあります。

予定通りに進んでいなければ、件数消化もこの時期になります。

 

件数のノルマのことは元国税の方が話していました。

あと増差の発見はヒット、重加算対象の発見はホームランとも。

税務職員にもいろいろと事情があるのですね。

税理士の手嶋です。

 

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本日のお題は会社の事業年度についてです。

 

事業年度は原則として会社の任意で定めることができます。

そして事業年度は1年を超えても問題ありませんが、法人税や消費税は1年を超える事業年度を

認めていないため通常は1年を単位に事業年度を設定しています。

平たく言うと、1年に1回は税金を計算して納税して下さいってことです。

 

1年を超える事業年度を設定できる必要があるのかという疑問は置いといて、

では何の制約もない場合にどうやって事業年度を決めるべきなのでしょう。

 

商売には少なからず季節変動というものがあります。

例えば3月の年度末に大きな利益が計上される場合には、この時期が上半期にくるように

事業年度を設定するのが良いのです。

 

なぜなら上半期にすることで、利益が予想以上に多かった場合には節税について

考えることができ、逆に利益が予想より少なかった場合には下半期の営業について

戦略を練り直すといった手を打つことができるからです。

 

これが3月決算の会社の場合には、利益が多いときはそれに対処できるわけもなく

その分納税が増え、利益が少ないときはそのまま赤字決算になることも考えられます。

3月が終わってからの出たとこ勝負になるため、これでは予定が立ちません。

 

事業年度の変更は株主総会を開催して定款を変更すれば簡単にできます。

上記のような場合には変更を考えてみてはいかがでしょうか。

 

ただし税理士は2月と3月は個人の確定申告で忙しいから、

できるだけ12月決算と1月決算はやめてほしいと思っています・・・。

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