税理士の手嶋です。
昨日、税制改正の勉強会に参加した後、ご飯を食べに行くお店までの道中、
午後9時にもかかわらず引っ越し作業をしていました。
「お疲れさま~」と思いながらその場を去ったのですが、午後11時過ぎ、
食事を終えて帰宅していると今度は別の場所でまた引っ越し作業中です。
引っ越し業者さんも、一年で一番忙しい時期とはいえ、大変ですね。
さて、前回の続きです。
所得の分散のメリットは所得税の軽減だけではありません。
相続税の軽減にもなります。なぜなら収入から発生する預貯金の増加も分散されるからです。
1人の名義で財産が形成されると、相続税も累進課税のため税負担が重くなります。
消費税にも影響します。
前々年の課税売上高が1,000万円を超えていると消費税の課税事業者になります。
したがって売上高が分散され、1,000万円以下になると免税事業者になります。
事業税もある程度の規模から課税されるため所得の分散により、課税されなくなります。
建物の移転コストや健康保険料の負担増と言ったデメリットもあり、検討が必要ですが、
メリットの方が大きいことが多いようです。
法人を設立して建物の所有権を移すのも、同じく所得の分散を図る目的があります。
給与所得控除の縮小、最高税率の引上げ、控除の見直しなど個人課税が強化傾向です。
まず仕組みから見直すことも考えてみましょう。
税理士の手嶋です。
確定申告が終わり、ほっと一息ついたところです。
それにしても暖かくなってきましたね。陽も長くなり、いよいよ春です。
さて今回は所得税の節税についてです。
以前にも青色申告65万円控除の適用、減価償却方法の変更、小規模企業共済の加入に触れました。
しかし、もっと根本的に効果があるのは ぶ・ん・さ・ん “分散” です。
所得税は累進課税制度のため、所得が多くなればなるほど税負担が増します。
例をあげますと、サラリーマンで配偶者(所得なし)と扶養親族1人(38万円の控除)の場合、
年収500万円だと所得税・住民税の合計は約25万円です。
これが年収1,000万円になると所得税・住民税の合計は約120万円になります。
収入は2倍、税金は4.8倍です。
1人で稼ぐよりも、2人で1,000万円稼ぐ方が基本的には税負担は少ないわけです。
収入の種類によってはコントロールが難しいです。
しかし不動産収入は誰に帰属させるのか、仕組み作り次第で家族全体の税負担が大きく変わります。
貸事務所・貸店舗やアパートの収入は建物の所有権移転によって移動します。
土地の所有権移転は必要ありません。
どの建物を移すか?
どうやって移すか?
誰に移すか?
法人を有効活用できないか?
この部分は仕組みの根幹です、税理士に相談した方がいいでしょうね。
最初の仕組みづくりは大事です。
次回へ続く・・・・
税理士の手嶋です。
確定申告も終盤になっていまさらというご意見があるかもしれませんが、少し所得税の節税について触れてみたいと思います。
ひとくちに節税と言っても、さまざまです。
中でも最も大きな違い、それはお金が出ていくのか、出ていかないのかということです。
お金が出ていく節税がダメということではありませんが、お金が出ていかない節税の方が優れた節税でしょう。
利益がたくさん出そうなので、期末に経費100万円使って、税金が30万円減った。
これってどうですか。結局はお金が70万円減っています。
今回はお金が減らずに税金が減るものを2つ紹介します。
一つ目は青色申告特別控除です。
一定の要件を満たせば所得金額から最高65万円又は10万円を控除できます。
65万円控除は複式簿記で帳簿作成しなければならないため、少しハードルが高くなりますが、会計ソフトを使うことで比較的簡単に作成できます。
自分でできない場合には税理士に頼むことになりますが、通常は所得が高い人ほど節税効果があります。
二つ目は償却方法の変更です。
納税者は自ら固定資産の償却方法を選択できます。
今年の確定申告で実際に変更した例ですが、平成5年に2.3億円で取得した建物の償却方法を旧定額法から旧定率法へ変更しました。
旧定額法の償却費は・・・4,500千円
旧定率法の償却費は・・・7,100千円
差額は2,600千円です。すごい違いですね。
償却期間を通じての減価償却費は同じになるため、経費の先取りではありますが、現在の所得が多く、税率が高い場合には有効です。
ただし、平成10年3月31日以前取得の建物にしかこの方法は使えませんのでご注意下さい。
不動産所得の節税のための法人活用は3タイプあります。
(1)土地建物は個人所有のまま、管理を法人が行い、個人が法人に管理手数料を支払うタイプ
(2)土地建物は個人所有のまま、建物を法人が一括で借上げるタイプ
(3)土地は個人所有で建物が法人所有のタイプ
所得税の節税が大きく見込めるのは(3)の建物を法人所有とするタイプです。
しかし、相続対策として建設するアパートやマンションなどは、個人名義でなければなりません。
高収益が見込める店舗や事務所倉庫系の物件は、法人名義で建設するほうが有利です。
アパートやマンション、戸建借家などは築後20~30年経過して建設時の借入金を支払い終わったころが法人化活用が可能となります。
法人に建物を売却することによって、家賃収入をまるまる法人へ移転することができます。
法人を最も有効に活用するための考え方や、相続税に対する影響などについては次回ご紹介しましょう。
中 田
ブログ当番が回ってきていているにもかかわらず、更新していないことをふとしたときに思い出し、胸がチクチク痛むようになってきた今日このごろ。
よつば会計の税理士 手嶋です。
確定申告は山を越え一段落し、残りの件数も少なくなり気分的に楽になりました。
は~、やれやれ。
本年は事務所で電子申告に本格的に取り組んだ年になりました。
これまでも遠隔地のお客さまについては電子申告をしていましたが、本年は全体の約9割(これは僕の体感データです)を電子申告に移行しました。
電子申告データの作成など、慣れない作業に戸惑うこともありましたが、電子申告推進委員長の檜山税理士のおかげでなんとかなりました。感謝、感謝。
ところで贈与税の電子申告がないのはどうしてなのか?申告書の形式も単純で電子申告に適しているように思うので、早く対応してほしいものです。
さて、つい昨日のこと、防水工事などを行う会社の社長さんと話をしていて、マンションの外壁塗装工事が面を単位として施工することができると教えてもらいました。
例えば、ビル1棟の外壁塗装が500万円の場合、全部で4面あるので、今年に2面、来年に2面と工事を分けることで経費を今年と来年に250万円ずつに分けることができます。
社長さんが言うには工事を分けたからといって値段が上がることもないとのこと。まあ、工事にもよるのでしょうが。
何となく外壁塗装は全面を一度にやるものだと思い込んでいたので目からウロコでした。
外壁塗装は金額が多額になるため、工事を分けて行うことで、資金的に余裕ができます。
それに所得税は累進課税ですから一度に多額の経費を計上して税率の低い部分まで課税所得が少なくなるよりも、2年にわたって税率の高い部分の課税所得が少なくなる方が有利です。
良いこと教えてもらったのでお客さまの修繕計画を考えるときに活かしていきます。