税理士の檜山です。
償却資産・給与支払報告書の提出が終わり、ひと段落。
1月末ごろから「資料が揃ったよ~」とのご連絡を徐々に頂き、確定申告が始まったことを感じます。 意外と問い合わせがあるのが今年から始まった国税のクレジットカード納付です。
クレジットカードで国税を払うことのメリットとしてまず挙げられるのは、ポイントが貯まることです。しかし、クレジットカード払いでお得かというと、カードのポイント付与率によって手数料の方が過大になることもあるので注意が必要です。
ショッピングでクレジットカード払いを利用するとき、通常手数料などは発生しません。しかし、国税をクレジットカードで納付する場合には、別途決済手数料が必要になります。決済手数料は、最初の1万円までは82円(消費税込)、以後1万円を超えるごとに82円(消費税込)を加算した金額がかかります。 つまり0.82%プラスαの負担が発生しますので、これを超える還元率のポイントでないとメリットはありません。
また資金繰りの面でもメリットがあります。クレジットの利用代金の引き落としは1~2ヵ月後になり、現金納付等に比べ支払いに猶予ができます。また、手数料がかかるものの分割払いも対応可能です。
その他特徴としては、税務署・銀行の窓口では受け付けずインターネットからの手続きのみ、納税証明の発行にタイムラグが起こること、前年クレジット納付した場合でも継続されず毎回手続きを行う必要があるなどです。
税理士の手嶋です。
今年も残すところあとわずかになりました。
お客さまと「本年、1年間ありがとうござました」とあいさつを交わすと
1年が終ることを実感します。
さて年末ということで、平成29年税制改正大綱が発表されました。
所得税の配偶者控除の抜本的な改正が見送られたこともあり、大きな改正はない印象でした。
今後の配偶者控除と社会保険の関係には注目ですね。
個人的には、株式評価の見直し、医療法人関連の改正が顧問先に与える影響が気になります。
タワーマンション節税の根本的な問題である、マンションを
建物と土地に分けて評価する点はそのままでした。
超高層マンションだと区分所有建物と敷地の数%を所有、
これを別々に評価するというやり方が市場価格と乖離しているのですが、
建築が抑制されるような改正はしないのでしょう。
政策的に、ここはあえて触らないのだと思います。
税法はただ条文を読んでもわからないことが多いですが、
その条文の立法趣旨や保護法益を知ることで本当の理解ができます。
税制改正も同じで、政治・経済事情などを踏まえ、問題は何なのか、
背景に何があるのかを考えると、単なる変更ではない部分が見えてきます。
税法はよくできていて、なかなかおもしろいです。
税理士の檜山です。
3月決算の申告が一段落つき、ほっとしています。
今週末は気兼ねなく島根のウルトラマラソンに参加できそうです。予報では雨となっていますので、シャワーランを楽しんできたいとおもいます。
27年1月以降に法人が取得した一定の書画骨董について減価償却を行うことができるようになりました。
今までは書画骨董は「時の経過によりその価値が減少しないもの」として原則減価償却の対象ではありませんでした。ただし、美術関係の年鑑等に記載されている作者以外の作品でその取得価額が20万円(絵画にあっては号2万円)未満のものについては減価償却資産として取り扱うことができるというものでした。
今回の改正で年鑑登録の基準を廃止し、1点20万円未満という基準を100万円に引上げられます。絵画についても号数に関係なく100万円の基準です。
また、100万円以上の書画骨董については、①会館のロビーや葬祭場のホールなど不特定多数の者が利用する場所の装飾品や展示用(有料公開を除く)として取得、②移設することが困難でその用途にのみ使用されることが明らかなもの、③他の用途に転用すると仮定した場合、設置状況や使用状況から見て書画骨董としての市場価値が見込まれないもの、以上3要件を満たす場合には例外として減価償却資産として取り扱うことができます。
27年1月前に取得し減価償却を行っていない書画骨董についても、改正後の通達に従って判定した結果減価償却資産として取り扱うことができるものについては、27年1月以後に開始する最初の事業年度から減価償却資産として償却することができます。
付き合いで購入した美術品や社長室に飾ってある絵画など、今期から減価償却できるかもしれません。心当たりある方は会社の固定資産台帳をめくってみることをお勧めします。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
税理士の檜山です。
毎年元日の朝は初日の出を拝みに白木山に登るのですが、今年は雪深い中の登山となりながらも日の出時刻ちょうどに山頂に到達することができました。
生憎の天気で日の出は拝めませんでしたが、良い運動になりました。
さて、例年ならば12月中旬に公表される税制改正大綱ですが、選挙の関係もあり今回の公表は12月30日と年末ぎりぎりでした。
いくつか主だったものを簡単にご紹介いたします。
なお税制改正大綱は「改正案」でありますので、変更される可能性は0でないことに注意が必要です。
法人税の税率が25.5%から23.9%へと1.6%引き下げられます。
中小企業はもともと年800万円までの所得については軽減税率15%で計算されております。年間所得が800万円以下の会社には今回の実効税率の引き下げの効果はありません。
欠損金の繰越控除とは、今年の赤字を来年以後の黒字と相殺して法人税を計算する制度です。それの対象期間が10年(現行:9年)から1年間延長となります。
1人当たり1000万円(結婚費用は300万円)まで、結婚・出産のための一定の信託が対象となります。
50歳になった時点で使い切れなかった場合等には、贈与税の申告・納税が必要となります。
特例の期限が平成31年6月まで延長され、27年中の非課税限度額は1000万円となります。(良質な住宅用家屋は1500万円)
平成31年3月31日まで延長されます。
親・祖父母が子・孫の名義口座で投資を行うことが可能となります。非課税枠は80万円です。
非課税枠が100万円から120万円に拡大となります。
エコカー減税の2016年度まで延長されます。
ふるさと納税の拡充 住民税の上限を10%から20%に拡充されます。
消費税率10%引上げ実施の時期の変更 税率の変更は平成29年4月1日となります。
税理士の檜山です。
安倍内閣は法人税の実効税率を来年度からの数年間で20%台へ引下げを目指すようです。法人税を下げることで、企業の内部留保の確保、経済成長の加速、外国企業の誘致が主な狙いです。
しかし、現実には法人税の税率軽減による恩恵は薄いように思います。日本で税務申告を行っている法人のうち70%超は赤字で、法人税を支払っていません。30%弱の法人だけが軽減の恩恵を受けるだけです。
また税収が不足している昨今で税率の引き下げを行っただけでは国の資金は確保することができません。税率引き下げと併せて、優遇税制等の見直しが検討されています。
① 欠損金の繰越控除制度の見直し
② 減価償却制度の見直し
③ 中小法人課税の見直し
④ 地方税損金不算入の見直し
⑤ 地方税均等割の見直し
企業によっては、税率は下がったのに法人税が増えたなどのケースが出てくるかもしれません。
今後の動向に注意が必要です。
「生産性向上設備投資促進税制」というものが新しくできました。
あくまでも要件を満たせばですが、設備投資に要した金額を即時償却(または特別償却)できたり、一部を税額控除できたりします。
平成26年1月20日から平成28年3月末日までは、即時償却または税額控除5%となっています。
平成28年4月1日から平成29年3月末日までは、特別償却50%または税額控除4%となっています。
平成28年3月末日までにした方が有利ですね。
次に、利用できる方は、「青色申告をしている法人・個人事業主」となっています。
青色申告であれば、規模や業種に制限はないようです。
対象設備は、大きく2つのパターンに分かれます。
「先端設備」か「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」です。
このどちらに該当するかで、必要な手続きや対象となる設備等の範囲が異なります。
ん~、そうは言ってもどっちかに該当するかどうかなんて分からないよ~。となりますね。
その辺りの続きは次回また書かせて頂きます。
中田裕介
久しぶりの税理士の檜山です。 先月から消費税が8%に増税になりました。業種業態によって違いますが、 少なからずどの業種にも影響があるようです。個人消費も減ったように 感じます。 さて、消費税の増税は周知されている裏に、ひっそり印紙税もこの度改正 がありました。 今までは3万円以上の領収書を発行するときに200円の収入印紙の添付が 必要とされていました。4月1日から3万円から5万円に引き上げになりま した。 因みに、消費税を別書き等していた場合には、税抜価格で3万円以上かどうかを 判定することになります。 税込で3万円を超えるけど税抜では3万円を下回る場合には、ちょっとした記載の 違いで収入印紙が不要となります。
税理士の手嶋です。
今年も残すところあと1月となりました。とても1年が早いです。
税制改正により25年度で適用が終わるものについては、実行するか決めなければなりません。
上場株式等を譲渡した場合の軽減税率10%は、平成25年12月31日をもって廃止され、
平成26年1月1日以後は20%の税率が適用されます。
上場株式等に利益が生じている場合には、平成25年中に売却を行い、利益を確定することで
税率は10%で済みます。
また過去3年間に生じた上場株式等に係る譲渡損失を繰り越している場合には
その損失との損益通算をすることも可能です。
ただし誰かの扶養親族になっている人の場合には注意が必要です。
上場株式等の管理が「源泉徴収ありの特定口座」であれば、確定申告不要となり、
いくら所得があっても扶養から外れることはありません。
この場合には、上場株式等の所得を扶養控除等の判定の対象となる合計所得金額に
含めないことになっているからです。
しかし「源泉徴収なしの特定口座」であれば、自ら確定申告することになり、
所得が38万円を超えると扶養から外れてしまいます。
繰越損失との相殺も確定申告をするため、例えば本年の所得50万円と繰越損失50万円が
相殺され差引所得が0円になっても、扶養控除等の判定となる合計所得は38万円を
超えているので扶養から外れてしまいます。
税制は複雑で分かりにくい面が多分にあります。
一般の人はなかなか”源泉徴収あり”と“源泉徴収なし”の違いってわからないと思います。
軽減税率の適用や繰越損失との相殺といった有利な面だけにとらわれて、
不利益をこうむらないように注意して下さい。
税理士の手嶋です。
税制改正により平成26年4月から消費税が現行の5%から8%になることが決まりました。
昨日、9月30日は5%の経過措置を受けるための最終契約期日であったため、
住宅の購入、結婚式場の予約など駆け込み需要で盛り上がったようです。
ところで現行の消費税は国税4%、地方税1%の合計5%です。
8%になればその割合も変わり、国税6.3%、地方税1.7%になります。
10%では国税7.8%、地方税2.2%ということも決まっています。
ほとんどの人には実生活でいくら払うかが大事なことであり、8%の内訳に興味はありません。
しかしこの改正により、税理士試験の消費税法の受験者は結構な影響を受けます。
消費税法は国税の試験なので、国税の4%部分だけを計算します。
受験生には消費税は4%であって、5%ではないのです。
例えば税込金額10,500円に含まれている消費税は500円ではなく国税部分の400円が答えになります。
計算式 10,500×4/105=400
これが8%になって10,800円の場合には消費税は630円になります。
計算式 10,800×6.3/108=630
改正があると4%が6.3%になり、7.8%になるのです。
条件は皆同じですが、試験は緊張の中、限られた時間で行います。
4%から6.3%への変更は計算ミスもしやすくなるでしょう。
更に4%、6.3%、7.8%のように税率が複数ある場合にはひっかけ問題なども容易に作成できます。
3年後の平成28年の試験は複数税率が入り混じって難易度MAXです。
納税義務の判定もますます複雑化し、年々難易度が上がって、本当に大変です。
消費税は取引に対して課税されるため、赤字法人でも納税義務があり、
法人税を払っていなくても、消費税は払うことになります。
しかも消費税は今後も税率が上がり、税額も大きくなり、ますます重要になります。
ちなみに僕は消費税法がなかなか合格できなくて、ものすごく勉強するはめになりました。
おかげで実務には役立っていますけど、それにしても相性悪かったな~。
税理士の手嶋です。
NISAご存知ですか?
最近は証券会社のCMをよく見かけるようになり、お客さんから内容について聞かれることもあります。
NISAは平成26年1月から開始する、年間100万円の元本金額を上限に株式等の売却益、配当などが
非課税扱いになる制度です。
専用口座で取引し、対象期間は5年、最大500万円まで非課税で株式投資ができます。
メリットは
売却益、配当について非課税となること
デメリットは
損失が生じても損益通算はできないこと
損失の繰越控除はできないこと
でしょうか。
NISA口座内で保有している株式等に関しては、その他の銘柄と損益通算することができません。
NISA口座以外の口座に入っている株式等との通算が出来ないだけでなく、
NISA口座内の株式等の間でも通算ができません。
NISAでしか取引しない場合には、売却益、配当は非課税ですから損益通算の必要はないのですが、
NISA口座以外でも取引している場合には、注意が必要です。
儲かっても課税されないのは魅力ですが、基本は投資です。元本の保証はありません。
株式市場への参加者を増やすための税制面でのインセンティブです。
株で儲かったお金は非課税になるという、勝負に勝った場合の皮算用だけをしていると
痛い目見るかもしれません。判断は慎重に行いましょう。
【今日のポイント】
NISA口座で損失、NISA口座以外で利益が生じた場合に、利益と損失は相殺されず、
利益金額に対してのみ課税される。