2020年4月より、自筆証書遺言書を法務局で保管してもらえるようになります。
メリット
自筆証書遺言書の紛失、破棄、盗難、偽造の恐れがなくなります。
また、家庭裁判所の検認が不要になります。
※家庭裁判所の検認
相続人全員が家庭裁判所に呼び出され、自筆証書遺言書を開封することです。
リスク
公正証書遺言を作成する場合には、公証人が遺言者の意思能力の審査を行います。遺言者が認知症などで意思能力を欠く状態でないか吟味します。
それに対し、遺言書を保管する法務局では意思能力の審査がありません。
例えば、誰かが付添人になりお年寄りと一緒に遺言書を法務局に持っていきます。最低限の本人確認ができれば、保管してくれます。
たとえ自筆証書遺言の内容が、「私の全財産をお友達のお友達の○○さんにあげます」といったものであっても有効ということになります。
安心・安全という点では、公正証書遺言に及びません。
※掲載の情報は、2018年12月19日現在のものです。
改正の内容
2019年1月より、「遺言書の目録部分は、自筆でなくてもOK」になります。
つまり目録については、第三者が代筆したり、パソコンで作成しても良いことになります。
ただし、目録のすべてのページに遺言者の自署・押印が必要です。また、目録への日付の記入は義務ではありませんが、目録を何度も作成した場合など目録が複数枚出てきて混乱しますので、日付も記入しておく方が良いでしょう。
リスク
自筆の遺言書の作成が容易になりますが、複数の遺言書ができてしまい混乱する恐れがあります。
また、財産目録を差し替えられて、財産を第三者に盗まれる恐れがあります。
まとめ
自筆証書遺言は万全な遺言書を作成するまでのつなぎと考え、安全性の高い公正証書遺言をおすすめします。
公正証書遺言は費用がかかりますが、様式不備で無効になったり、改ざん・破棄されてしまう心配がありません。
当事務所では、遺言書作成のためのサポートもしておりますので、いつでもご相談ください。
※掲載の記事は、2018年12月19日現在のものです。