よつば通信 2021年号第3号 生命保険の活用Ⅲ
前回は、毎年支払う生命保険料を贈与でまかなうことによって、相続財産を減らしながら相続税の納税資金を準備する方法についてご説明しました。
しかし、特殊なケースでしたから、今回はもう少し一般的なものをご紹介させていただきます。
相続対策とは言え、毎年子や孫に100万円単位で現金を渡すことにはためらいを感じる方が多いと思います。
今回は現金ではなく、将来役立つ生命保険として渡してあげようというお話です。
①生命保険の加入方式
契約者、被保険者は子、保険金の受取人は子の家族という、一般的に結婚や子供の出生を機会に入る普通の生命保険です。死亡保障、年金、学資準備、医療など保険の種類はなんでもよいです。
②保険料は子の口座から引き落とし手続きをする
引落し口座は子が日常使う通帳とします。親が管理している通帳にしないことが重要です。
③保険料が引き落とされる前に子の通帳に現金を毎年振り込む
振り込んだ金額が毎年の贈与として取り扱われます。1年間に受けた贈与が110万円以下の場合には贈与税はかかりません。
④掛け捨てではなく中途解約しても現金化できるもの
相続対策としての贈与の活用という考え方であれば、掛け捨てになる定期保険よりは、掛け金が貯まっていく終身保険のほうが良いでしょう。学資保険や将来年金として受け取れる養老保険(死亡保障が小さい貯蓄型)もよいと思います。
⑤短期払いがお勧めです
1年間に贈与しようと思う金額(予算)に合わせて保険金の額や払込期間を決めます。払込期間を短くすれば保険料が上がります。積極的に贈与を進めたい場合には5年とか10年の短期払いにすることもできます。
※掲載の内容は、2021年12月1日時点のものです。